愛媛透析研究会会長就任のご挨拶
松山赤十字病院腎センター
原田篤実
本年4月より、皆様のご推挙により愛媛透析研究会の会長に就任いたしました松山赤十字病院腎センターの原田で御座います。
透析医療の分野は毎年の保険改訂の度に2%の削減がなされ、正に厚労省の医療費削減のやり玉とされて経営の苦しい時代が続いております。また透析導入患者の糖尿病症例の増加から、導入時期より心血管系疾患や多くの合併症を有する患者さんに対する対処が必要となってきており、全体の透析患者さんの高齢化も進んできて介護、福祉が必要な患者さんも増え、医療の内容が益々複雑で困難な状況となってきております。
一方では画期的な新薬の登場(骨、ミネラル代謝障害に対するシナカルセット、炭酸ランタン、貧血に対する第2世代のエリスロポエチン)、無酢酸重層透析液等治療法の進歩も著しく、治療法の選択の幅が広がってきております事は喜ぶべき事ですが、我々透析医療者は日々の医学の進歩に遅れないよう研鑽していく必要に迫られています。しかし、透析患者さんを元気で長生きさせる為には食事療法と運動療法が基本である事に変わりはありません。この変動する透析医学、医療の時代に遅れず、また流行に流されることのないしっかりとした愛媛の透析医療を行っていけるよう皆様と一緒に努力していきたいと思っておりますので、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。